VizGlowSoftware

各種メニューMenu

VizGlow

概要

VizGlowの概要

VizGlowは、米国EsgeeTechnology社の15年以上に亘るプラズマ解析の研究開発の成果として生まれた、プラズマシミュレーションソフトウェアです。
VizGlowの特徴は、圧縮性流体モデルを採用しているため、様々な条件のプラズマ解析を行う事が可能な点にあります。
具体的には以下のような解析に対応しております。

  • 直流、誘導結合、容量結合および電磁波加熱の放電
  • 大気圧グロー放電
  • マイクロ放電、PDP、照明用プラズマ
  • 燃焼着火(スパークプラグ、ナノセカンドパルス)
  • プラズマアクチュエータ
  • 化学プロセスにおける非平衡プラズマ
  • ストリーマー放電、誘電体バリア放電(DBD)

VizGlowは、粒子法プラズマシミュレーションソフトウェアVizGrainと連携して動作することもできます。 併用例:容量放電プラズマ中の微粒子の挙動解析

VizGlowは、最新の数値計算法とソフトウェア技術を使用しており、計算速度が飛躍的に向上しています。 ご興味をお持ち頂けましたら、弊社までお気軽に お問い合わせ下さい。

反応

気相反応と表面化学反応

VizGlowは、汎用のガスおよび表面反応の計算機能を有しています。反応 レートの指定は、アレニウス型、多項式近似、テーブルまたはプログラミング で可能です。燃焼に関連する中性ガスの化学反応、CVD関連、電子衝突 およびプラズマに関連するイオンの反応については、ソフトウェアに組み 込まれています。

セルフパルシング マイクロディスチャージにおける時間変化。
セルフパルシングの挙動は、電場依存の2次電子放出に依存する

表面反応計算機能では、複数の表面およびバルク固体フェーズ、複数の 吸着化学種およびスティッキング反応やイオンインパクト スパッター反応 のような特殊な反応タイプをサポートしています。表面反応計算機能は、 プラズマ計算用に設計されていますが、触媒反応、CVD、腐食、大気汚染 等の計算にも十分適用可能です。

イオンインパクト エッチング反応モデルを使用したウェーハーのエッチングレート計算結果(実験結果をよく再現する)

データベース(対応しているガス種)

VizGlowでは以下のガス種のプラズマ反応データを用意しています。

主な化学種 説明
He ヘリウム。用途例:大気圧グロー放電
Ar アルゴン。用途例:容量結合プラズマ、マイクロ波プラズマ、誘導結合プラズマ
Xe キセノン。用途例:大気圧ストリーマー放電
H2水素
N2窒素
O2酸素
Ar O2アルゴンと酸素
Ar O2 H2 アルゴンと酸素と水素
He O2ヘリウムと酸素
Ar He O2アルゴン、ヘリウム、酸素
Ne H2ネオンと水素
Ar Tiアルゴンとスパッタされたチタン
CF4四フッ化炭素
C2F66フッ化エタン
C4F8オクタフルオロシクロブタン
C4F8 O2 Ar オクタフルオロシクロブタン、酸素、アルゴン
CHF3トリフルオロメタン
CF4 O2 Heテトラフルオロメタン、酸素、ヘリウム
C2H2 Arアセチレンとアルゴン。用途例:ダイヤモンドライクカーボン薄膜のプラズマCVD
HBr臭化水素
SiH4 N2 窒素とシラン。用途例:シリコンのプラズマCVD
NH3 アンモニア
NH3 N2 H2 Ar アンモニア、窒素、水素、アルゴン。用途例:プラズマCVD
NF3 3フッ化窒素。用途例:プラズマエッチング
NF3 O2 3フッ化窒素と酸素。用途例:プラズマエッチング
SF6 O2 6フッ化硫黄と酸素。用途例:プラズマエッチング
BF3 Ar 3フッ化ホウ素とアルゴン。用途例:プラズマドーピング
N2O 亜酸化窒素
Air 空気。用途例:プラズマアクチュエーター(論文)、超音速流れ
CH4-Air メタンと空気。用途例:低温プラズマによる着火(論文)
CH4-Air-EGR メタンと空気、水と二酸化炭素
CH4 N2 O2 メタンと空気の燃焼(GRI Mech 3.0)
Air He ヘリウムと空気。用途例:大気圧プラズマジェット
Air CO2 H2O 空気と二酸化炭素と水。用途例:大気圧ストリーマー放電

上記の他にもご要望のガス種がございましたら、データを集める事も可能ですので、お問い合わせ下さい。

また、VizGlowは、Quantemol社のデータベース QDB から書き出した反応データを読み込むことができます(Esgee Technology社による解説

事例

電磁波効果

高周波やマイクロ波を利用した誘導加熱による放電現象のエネルギー 吸収において、電磁波は、重要な役割を果たします。 VizGlowには、EM Wave Solverが組み込まれており、プラズマと電磁 波の完全なtwo-way couplingを考慮できます。 EM Wave Solverは、Maxwell方程式を、周波数ドメインまたは時間ドメインで解きます。

高周波誘導結合プラズマリアクター内の 電場の実数および虚数成分

導波管から気体へと伝わる電磁波。時間ドメインで解いた電場のx成分を作図

EM Wave Solverは、プラズマを複素伝導率をもつ物質として、 固体の伝導体と同様に電磁波加熱の計算を行います。 磁場のヒステレシス損失による渦電流加熱の計算も行います。 VizGlowの電磁波とのcouplingした計算機能は、誘導結合プラズマ中の現象 および容量結合プラズマ中の定在波/表皮効果のシミュレーションに有効に使用されています。

伝導体の有無によるL字形状の導波管内のマイクロ波(2.45GHz)の磁場分布

事例

ストリーマー放電

大気圧でのストリーマー放電の例を示します。 気体は、二酸化炭素と水蒸気が混じった空気です。 電極間隔 5 mm に、15 kV の電位差を印加しています。(電位差の時間変化も設定可能です。 ) 電荷分布の偏りによる局所的な電場発生が再現されており、 ネガティブストリーマーと、ポジティブストリーマーの両方が進展しています。

電場、電子数密度、N2+イオンの数密度

この放電を題材とした、多目的最適化の計算例を別ページで紹介しています

事例

表面電荷によるストリーマー

平坦な絶縁体面で、表面電荷の違いから発生するストリーマーのシミュレーションです。 下図で表示している範囲の下半分が絶縁体(比誘電率 8)で、上半分が空気(圧力 1000 Pa)です。 絶縁体と空気の境界面の、左半分が正に帯電(電荷密度 10-4 C/m2)していて、右半分は帯電していません。 最初にその境界に電場が発生し、ストリーマーが発生します。その後ストリーマーは、左右に進展します。

上:電子数密度(個/m3)、 下:電場(V/m)

文献

VizGlowが活用された論文一覧

  • Computational analysis of gas breakdown modes in direct current micro-plasmas at elevated pressures,
    J. Appl. Phys. 128, 233301 (2020).
    直流マイクロ放電、絶縁破壊、パッシェンの法則と電極形状
  • Multidimensional modeling of non-equilibrium plasma generated by a radio-frequency corona discharge,
    Plasma Sources Sci. Technol. 29 115013 (2020).
    RFコロナ放電による非平衡プラズマ
  • Ashish Sharma, Vivek Subramaniam, Evrim Solmaz and Laxminarayan L Raja,
    Fully coupled modeling of nanosecond pulsed plasma assisted combustion ignition,
    Journal of Physics D: Applied Physics, Volume 52, Number 9, 095204 (2018).
    プラズマアシスト着火
  • Numerical investigation of nanosecond pulsed discharge in air at above-atmospheric pressures,
    Journal of Physics D: Applied Physics 51, 345201 (2018).
    ナノ秒パルス放電
  • Konstantinos Kourtzanidis and Laxminaryan L. Raja,
    Three-Electrode Sliding Nanosecond Dielectric Barrier Discharge Actuator: Modeling and Physics,
    AIAA JOURNAL Vol. 55, No. 4, 1393-1404 (2017).
    誘電体バリア放電、プラズマアクチュエーター
  • Fluid modeling of a high-voltage nanosecond pulsed xenon microdischarge,
    Physics of Plasmas 23, 073513 (2016).
    高圧(10 atm)キセノン中の高電圧マイクロ放電
  • Douglas Breden, Laxminarayan L. Raja, Cherian A. Idicheria, Paul M. Najt, and Shankar Mahadevan,
    A numerical study of high-pressure non-equilibrium streamers for combustion ignition application,
    Journal of Applied Physics, 114, 083302 (2013)
    着火のための非平衡ストリーマー放電
  • Simulations of Nanosecond Pulsed Plasmas in Supersonic Flows for Combustion Applications,
    AIAA Journal Vol. 50, No.3, March 2012
    超音速流れ中でのナノ秒パルスプラズマ
  • Self-consistent two-dimensional modeling of cold atmospheric-pressure plasma jets/bullets,
    Plasma Sources Sci. Technol. 21 034011 (2012)
    低温大気圧プラズマジェット
  • Simulations of direct-current air glow discharge at pressures ~ 1 Torr : Discharge model validation,
    Journal of Applied Physics 107, 093304 (2010)
    プラズマアクチュエーターを想定した気圧と流速での放電シミュレーション
  • Deconinck T., Mahadevan S., and Raja L. L.,
    Computational simulation of coupled nonequilibrium discharge and compressible flow phenomena in a micro plasma thruster,
    Journal of Applied Physics, Vol. 106, 2009, pp. 063305 1-13
    マイクロプラズマスラスター
  • Yuan X., Shin J., and Raja L. L.,
    One-Dimensional Simulations of Multi Pulse Phenomena in Dielectric-Barrier Atmospheric-Pressure Glow Discharges,
    Vacuum, Vol. 80, 2006, pp. 1199.
    大気圧での誘電体バリア放電

文献

VizGlowの理論に関連する論文一覧

  • Sharma, A., Breden, D., Cress, J., and Raja, L.,
    Predictive Breakdown Modeling for Spark Plug Design,
    SAE Technical Paper 2020-01-0781, 2020, https://doi.org/10.4271/2020-01-0781.
    点火プラグの、絶縁破壊の予測モデル
  • Chen G. and Raja L. L.,
    Fluid modeling of electron heating in low-pressure, high-frequency capacitively coupled plasma discharges,
    Journal of Applied Physics, Vol. 96, 2004, pp. 6073.
  • Raja L. L., Kee R. J., Deutschmann O., Warnatz J., and Schmidt L. D.,
    A critical evaluation of Navier-Stokes, boundary layer, and plug flow models of the flow and chemistry in a catalytic-combustion monolith,
    Catalysis Today, Vol. 59, 2000, pp. 47-60.
  • Raja L. L. and Linne M.,
    Analytical model for ion angular distribution functions at rf biased surfaces with collisionless plasma sheaths,
    Journal of Applied Physics 92, 7032 (2002)
    角度分布関数の解析的モデル