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事例

プラズマトーチ動作条件の多目的最適化

アークプラズマシミュレーションソフトウェア VizSparkの使用例として、アルゴンプラズマトーチの動作条件の多目的最適化を行います。

Dlr-vakuumplasmaspritzanlage

プラズマトーチのイメージ図 (Matthias Zepper / CC BY-SA

以下の、相反する目的を満たすような動作条件を求めます。

  • 目的1:噴出する気体の温度を最大にする
  • 目的2:消費電力を最小にする

シミュレーションで扱いやすくするため、「噴出する気体の温度」と「消費電力」を、以下の目的変数に読み替えています。

  • 目的変数1: トーチの噴出口から 1 cm の点での温度
  • 目的変数2: 気体中のジュール熱の積分値

調整する動作条件は、以下の2つの値で表します。

  • 説明変数1: 電極間の電流 (100 A から 1000 A の間で調整)
  • 説明変数2: トーチ入口の気体圧力 (200000 Paから 500000 Paの間で調整)

プラズマトーチのシミュレーションは、VizSpark で行います。計算条件は

  • ガス種 Ar
  • 圧力 ガス出口: 1 atm
  • 気体初期温度 300 K
  • 計算時間 0.3 ms (目的変数1、目的変数2は、この時点で測定)

です。

最適化には、R言語GPareto パッケージを用いています。

説明変数のグラフ、目的変数のグラフ、そしてシミュレーション結果を下に動画で示します。

動画

このように最適化が進みます(動画)

左:説明変数(圧力、電流) 右:目的変数(温度、ジュール熱)

数字(1から25まで)は、何回目のシミュレーションかを示します。

VizSparkのシミュレーション結果。左から、流速分布(m/s)、気体の圧力(Pa)、温度(K)、電流密度(A/m2)。

結果

結果

今回の目的変数の条件を満たす解を、色のついた丸印で示しています。 左下の、説明変数の図で、左下のほうに丸印が集中しています。 つまり、今回の条件設定では、圧力も電流も低いほうが良いという結果になりました。 この結果は、目的変数の値をどのように設定するかによって変わります。 (たとえば、目的変数に流速を含めると、トーチ入り口の気体圧力は、高いほうが望ましいはずです)

このように、

アークプラズマシミュレーションソフトウェア VizSparkR言語を組み合わせて使うことで、 プラズマ装置の、目的に応じた最適な動作条件を決定することができます。