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3次元希薄気体解析ソフトウェア

DSMC-Neutrals はモンテカルロ直接法 ( DSMC- Direct Simulation Monte Carlo ) を用いた3次元希薄気体解析ソフトウェアです。 非構造メッシュを用いることにより、複雑な形状のシミュレーションが可能です。 また、化学反応の計算も可能であり、真空チャンバー内の希薄なガス流れはもちろんのこと、化学蒸着 ( CVD - Chemical Vapor Deposition )などの半導体製造における薄膜生成のシミュレーションにも適しています。

ハードディスクのヘッドシミュレーション

ハードディスクのヘッドと回転しているディスク間のガス流れの3次元シミュレーションです。通常、圧力が高い領域ではDSMC法を用いることが困難でありますが、 計算領域が小さい場合は計算が可能です。また、ハードディスクとヘッド間の距離は、場所によって0.1μm以下となり大気圧の平均自由行程以下となります。 そのために、連続体近似よりもDSMC法の方が妥当な結果を得ることができます。以下にハードディスクとヘッド間のガス流れのシミュレーションについて述べています。

図1にハードディスクの模式図を示します。実際に計算する箇所はスライダー先端のヘッドの箇所です。

Fig.1    ハードディスクの模式図

熱泳動計算モデル

図2に計算領域とサイズを示します。計算領域は、ディスクとヘッドの間にあります。 ディスクとヘッド間の隙間は非常に狭いために、図中の表示では縦方向のサイズを実際のサイズの100倍にしています。

Fig.2    計算領域(ディスクとヘッド間)

圧力依存の熱泳動力

図3に計算条件を示します。下図の計算では、回転速度5400rpmでヘッドがディスク中心から4cm離れている場合のヘッドに掛かる力を計算します。 上記の回転速度の条件では、ディスクとヘッド間の相対速度が22.6m/sとなります。 そのために、ディスク表面の移動速度を22.6m/s、ヘッド前方から流入する流速も22.6m/sであるとしました。

Fig.3    計算条件

圧力依存の熱泳動力

図4にディスクとヘッド間の圧力分布を示します。ヘッドの端に行くほど、空気が隙間の外側に流れ出すために圧力が低いことが分かります。

Fig.4    ディスクとヘッド間の圧力分布

圧力依存の熱泳動力

図5にヘッド表面が受ける圧力分布を示します。DSMC-Neutralsでは、表面圧力分布は壁との衝突で各粒子が与える力積より直接計求められています。

Fig.5    ヘッド表面が受ける圧力分布

圧力依存の熱泳動力