トップページ > 設備保全管理ソリューション > FLiPS > メールマガジントップページ >業務指標等の統計データ表示について
保全業務を実施する中で、管理のための業務帳票と各種状況を把握するための指標を利用します。 業務帳票は、一元管理された保全情報から指定された条件で一覧を作成したり、 単票を作成することで、実現できます。 これに対して、各種指標は、データベースから抽出したデータに統計処理を施すことで、出力できます。 ここで、統計処理が問題となります。
例えば、緊急保全割合を集計する場合を考えてみます。緊急保全割合は、以下のとおり計算することができます。
上図の[1]および[2]のパスに着目し、それぞれ工数合計を計算すると、
緊急保全割合 = [1] / ([1] + [2])
を計算できます。この計算式を適用することにより、例えば
「計画保全の遅れや割高な保全コストが無視できなくなる等の影響が出てくるパーセンテージを 20 % とし、 トレンドを評価した結果がそのボーダーラインに向かって増加傾向の場合は、原因を調査することをルールとする」
などの運用方針をとることができます。
緊急保全割合を毎月集計し、表示した例を以下に示します。
上図からは、トレンドが判別できません。トレンドを見るために移動平均を集計してみます。 また、評価も困難です。Moving Window幅を3ヶ月と6ヶ月で設定した例を示します。
3ヶ月移動平均
6ヶ月移動平均
どちらの移動平均の場合も、夏場に問題が発生する傾向が見えてきます。よって、例えば
現場の保全員が、なんとなく感じていた 『夏場に問題が発生する』という傾向が移動平均によりハッキリした。
のように解釈できそうです。今度は、12ヶ月の移動平均を集計してみます。
12ヶ月移動平均
当然ですが、季節による傾向は消えます。そして、
最近になって、徐々に問題の発生率が上昇している。
と解釈できそうです。
この様に単純に平均を集計するだけでもパラメタの選択により、評価の判断に影響を及ぼします。 統計処理を用いた指標を用いる場合、統計の特徴(メリット、デメリット) を考慮し、複数の指標を用いる必要があります。もし、これを怠ると、統計結果のみが一人歩きします。 また、ここで述べたような例では、移動平均の幅を簡単に変更でき、 色々なパラメタで評価できる必要があります。言い換えると、統計処理は、 利用者が納得いく状態で、パラメタの変更や、アルゴリズムの設定が簡単にできる必要があります。