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C&R社製品
よるあるご質問: Frequently Asked Question

ここでは, ユーザーから, 比較的, 頻繁に頂くお問い合わせについて記しています.


SINDA/FLUINT

LSTAT=NORM or STAG の違いを教えて下さい.

Lump(流体タンク/節点: 流体の質量・エネルギーを格納)のオプションLSTAT(Lump STATus option)には, NORM (static), 及び, STAG(stagnant)があります. この両者には, どのような違いがあるのですか?

C&R 社 FAQページより抜粋して意訳文を掲載します. より詳しい内容は原文をご参照下さい.

この区別は, FLUINTユーザーにとって混乱を招き易い点と言えます. ユーザーによって設定の変更がない場合, デフォルトでは, SINDA/FLUINTは, 流体の移動において, 静圧(static pressure)を仮定します. 静圧とは, 移動する流体が感知する圧力と言えます. つまり, その流体粒子と共に移動する観測者によって計測される圧力という言い方もできます. 歴史的には (V4.4 より前), FLUINTは, 静圧のみを考慮していました. 静圧は, 熱力学や圧縮性流体の効果を取り扱う上で, 実際上の手段と言えます. 一方, 全圧(total pressure)は, 幾つかの用途はありますが (例えば, ポンプの性能曲線には, 全圧が基準となっているものがあります), 主な使い方としては, 定常的な非圧縮流れにおける "エネルギーの帳簿 (Energy Bookkeeping)" であると言えます.

SINDA/FLUINT V4.4 リリースより, 新オプションが追加され, Lumpを全圧(total pressure)として表現することが可能になりました. LSTAT=STAGと指定すると, Lumpをよどみ(stagnant), または, 動いていない(not moving)状態とみなします. 具体的な動作としては, SINDA/FLUINTは, そのLumpから流出するPathに対して, K-factor(形状圧力損失係数)=1.0 に相当する損失係数を内部で設定します (下図ではPath ID=1に対して, 内部的に, K-factor=1.0が設定されることになります). このようにするとで, 流体の加速 (運動量) の影響を考慮します: Lump ID=1 において流体が静止している場合 (よどみの状態), Lump ID=2 に至るまでに, 流体は加速し, 流速を得ます. この運動量の変化分を, k-factor=1.0 として考慮します (1.0*0.5*rho*V^2).



SUBROUTINE Block を使用するにはどのようにしたら良いですか?

簡易的な自然対流の例を題材として, SUBROUTINE Blockの活用例を記します. ここでは, 参考文書[2]を参考とし, 下図のような平行平板の熱伝達率を算出するSUBROUTINE Blockの活用を試みます. 尚, 問題を単純にすることを目的とし, ここではA面のみ考慮します.

尚, 本項目については, こちらからPDF版を閲覧することもできます. 文書中で使用している数値モデル(Thermal Desktop 向けの *.dwg)は, こちらから入手できます. また, 本例について, 次の点をご留意願います: 本例は, 実問題への解決指針を示したものではありません. SUBROUTINE Blockの使用例を示すことを目的としています.


試作回路
下のような試作回路を使用します. この回路を使用して, 参考文書[2] 第7章 例題2を, SUBROUTINE Blockを活用して計算することを想定します.


作成手順の概要
Lump, Surface (Thermal Desktop Rectangle), 及び, Tieを組み合わせて回路を組み立てます. 具体的な構成・設定などは, 直接, *.dwgをご参照願います. 本回路では, 流体物性として, (デフォルトの空気ではなく)物性値を格納したファイルf6077_air.incを使用しています. 熱伝達係数の算出に必要な物性値は, このファイル内から取り出すようになります.

回路の組み立てを終えた後, SUBROUTINE Blockにサブルーチンを記載します. ここでは, 仮に, NCHHPU (Natural Convection Heat transfer coefficient for Horizontal Plate, Upward heated) というルーチン名にしました. NCHHPUの動作概要としては, 次のようにかけます:

  1. 空気温度, 圧力, クオリティ, 平板温度, 及び, 平板の代表長さを受け取る.
  2. 組み込みサブルーチンNCPROPをコールした後, Ra数(=Gr*Pr)を算出する.
  3. Ra数を使用して, Nu数, 及び, 熱伝達係数を算出する.
  4. 各変数を出力する(値の確認を目的とし, messages_case0.txt に出力する).
      HEADER SUBROUTINES
      C
      C Purpose: calculate natural convection HTC for upward heated surface
      C
      C Arguments:
      C    TAMB - input ambient temperature [K]
      C    PAMB - input ambient pressure [Pa]
      C    XAMB - input ambient quality [-]
      C    TWAL - input wall temperature [K]
      C    CLEN - input characteristic length [m]
      C    HHPU - returned HTC upward heated surface [W/(m2-K)]
      C
      C Variables:
      C    TEFF - effective film temperature [K]
      C    RABS - base of the Rayleigh number [1/(K-m3)]
      C    RAYL - Rayleigh number
      C    KAIR - thermal conductivity of air [W/(m-K)]
      C    NUSS - Nusselt number
      C   
      F     SUBROUTINE NCHHPU(TAMB, PAMB, XAMB, TWAL, CLEN, HHPU)
      CALL COMMON 

      F     REAL TAMB, PAMB, XAMB, TWAL, TEFF, RABS, RAYL, KAIR, NUSS, HHPU

      C    calculate effective film temperature
      F     TEFF = (TWAL+TAMB)/2.

      C    get RABS
      F     CALL NCPROP(PAMB, TEFF, XAMB, RABS, PTEST, CTEST, BTEST,
      +            FLOW.FI)

      C    calculate Rayleigh number
      F     RAYL = RABS*ABS(TWAL-TAMB)*CLEN**3.

      C    calculate Nusselt number
      F     IF(1.E5 .LT. RAYL .AND. RAYL .LT. 2.E7)THEN
      F       NUSS = 0.54*RAYL**0.25
      ENDIF

      F     IF(2.E7 .LT. RAYL .AND. RAYL .LT. 3.E10)THEN
      F       NUSS = 0.14*RAYL**0.333333
      F     ENDIF

      C    get thermal conductivity of air
      F     KAIR = VCONDV(PAMB, TEFF, 
      +       FLOW.FI)
      F     HHPU = NUSS*KAIR/CLEN

      C    Output
      WRITE(*,*) ''
      WRITE(*,'(a7, i13)') 'LOOPCT:', LOOPCT
      F     WRITE(*,'(a8, f12.2)') '  TAMB =', TAMB
      F     WRITE(*,'(a8, f12.1)') '  PAMB =', PAMB
      F     WRITE(*,'(a8, f12.3)') '  XAMB =', XAMB
      F     WRITE(*,'(a8, f12.2)') '  TWAL =', TWAL
      F     WRITE(*,'(a8, f12.2)') '  CLEN =', CLEN
      F     WRITE(*,'(a8, f12.2)') '  TEFF =', TEFF
      F     WRITE(*,'(a8, e12.5)') '  RABS =', RABS
      F     WRITE(*,'(a8, e12.5)') '  RAYL =', RAYL
      F     WRITE(*,'(a8, f12.5)') '  KAIR =', KAIR
      F     WRITE(*,'(a8, f12.3)') '  NUSS =', NUSS
      F     WRITE(*,'(a8, f12.3)') '  HHPU =', HHPU
      
      END
	    

次に, このサブルーチンNCHHPUを呼び出す文を記載します. 具体的には, FLOGIC 0 Blockに記載します.

  1. Tie ID=1の伝熱面積(AHT1)を設定する.
  2. (ユーザー)サブルーチンNCHHPUをコールする. UB1(Tie ID=1の熱伝達係数を格納する変数)には, 返却値として, 熱伝達係数値が格納される.
      C input haet transfer area
      AHT1=1.0*1.0

      C get HTC (and put it into UB1)
      CALL NCHHPU(TL1, PL1, XL1, MAIN.T1, 1.0, UB1)
	  


計算結果
SUBROUTINE Block内のWRITE文の出力, 及び, 計算結果の可視化画面を掲載します.

      TAMB =      293.15
      PAMB =    101325.0
      XAMB =       1.000
      TWAL =      333.15
      CLEN =        1.00
      TEFF =      313.15
      RABS = 0.76709E+08
      RAYL = 0.30684E+10
      KAIR =     0.02734
      NUSS =     203.436
      HHPU =       5.562
	  



参考文書[2] 第7章 例題2の解答, 及び, 計算結果を下の表に記します. 両者(参考文書, 及び, SINDA/FLUINT計算)では, 結果に僅かな差異が見られます. 要因としては, 計算に使用する物性値が異なることが挙げられます. しかしながら, (僅かな差異はあるものの) ほぼ同じ結果であることが確認できます.


参考文書[2] 第7章 例題2の解答 計算結果
Ra 数 (Gr Rr) 3.10E+09 3.07E+09
Nu 数 204 203.436
熱伝達係数 4.78 [kcal/(m2-h-deg)] (5.559.. [W/(m2-K)]) 5.562 [W/(m2-K)]
伝熱量 191 [kcal/h] (222.0.. [W]) 222.5 [W]


参考文献
[1]. Cullimore et al, SINDA/FLUINT Version 5.6 User’s Manual
[2]. 内田秀雄 編, 大学演習 伝熱工学, (1983), 昇華房.



混合物を設定するにはどのようなオペレーションをしたら良いですか?

シンプルな混合物(水・空気)流体回路の概要, 及び, 設定例を記します. こちらからPDF版を閲覧することも可能です. 文書中で使用している数値モデル(Thermal Desktop 向けの *.dwg)は, こちらから入手できます.


混合物の流動(Multiple-constituent Flows) [1]
各Fluid Submodelには26種類までの流体を混在させることができます. 現仕様では, 混合物に含まれる凝縮性(condensable)/揮発性(volatile)の流体は1種までとなっています(その他の種は, 非凝縮性(noncondensable)/非揮発性(nonvolatile)でなければならない).


混合物 物性の取り扱い(Mixture Property Rules) [1]
混合物中の各種は, 通常, 理想的に(ideally), かつ, 他の種とは独立して(independently)振る舞うことを仮定します. 気体混合物の場合, ドルトンの法則が成り立つことを想定します. 気体の輸送物性は, 各々の種の分圧で重み付けした加重平均より算出します. エンタルピなどの熱力学的物性は, Dalton-Gibb's則に基づくものとします.

可溶性(miscible)の液体の混合物においては, Hankinson-Brobst-Thomson の方法を使用して密度を推算します. 熱伝導率は(モルではなく)質量に関して平均を算出します. 粘性係数はGrunberg and Nissanの方法(Properties of Liquids and Gases, 4th Ed., p.474の式. 9-13.1. 但し, 全てのinteraction factorの値は0.)を用います. 表面張力はMacleod-Sugdenの方法(Properties of Liquids and Gases, 4th Ed., p.644の式12-5.3)に基づいて算出されます.


サンプル流路
下図のようなサンプル流路を用いて, 混合物の動作例を記します. 左側の2箇所の流入境界から水(0.095kg/sec), 及び, 空気(0.005kg/sec)が流入します. 温度・圧力は, 常温・常圧を想定します.



設定の概要
混合気体に関する設定概要を記します(その他の回路作成手順は省略しますので, 数値モデルを参考にして下さい).


定常計算結果
クオリティ, 及び, 圧力を下図に掲載します. クオリティの結果を見ると, 合流後の流路では0.05(5%の空気, 95%の水)となっているのがわかります.




サブルーチンCNSTABの出力
サブルーチンCNSTABの出力を以下に記します. 各々の種成分に関する質量分率, モル分率, 及び, その他の情報のテーブルです.

CONSTITUENT TABULATION FOR SUBMODEL FLOW             , CONSTITUENT A (FLUID: 8729)

 VAPOR PHASE PROPERTIES                            LIQUID PHASE PROPERTIES                TOTALS
 -----------------------------------------------   ------------------------------------   --------------
 LUMP TYPE   MASS   PERCENT   PRESSURE   PERCENT   MASS   PERCENT   MOLE FRAC   PCT SAT   MASS   PERCENT

  3  JUNC   1.287  100.0000  1.1104E+05  100.0000   0.000    0.0000   0.000               1.287   5.0000
  4  JUNC   1.263  100.0000  1.0892E+05  100.0000   0.000    0.0000   0.000               1.263   5.0000
  5  JUNC   1.239  100.0000  1.0678E+05  100.0000   0.000    0.0000   0.000               1.239   5.0000
  6  JUNC   1.214  100.0000  1.0462E+05  100.0000   0.000    0.0000   0.000               1.214   5.0000
  7  JUNC   1.190  100.0000  1.0242E+05  100.0000   0.000    0.0000   0.000               1.190   5.0000
  1  PLEN          100.0000  1.0132E+05  100.0000            0.0000   0.000                     100.0000
  2  PLEN            0.0000  0.000         0.0000            0.0000   0.000                       0.0000
  8  PLEN            0.0000  0.000         0.0000            0.0000   0.000                       0.0000

CONSTITUENT TABULATION FOR SUBMODEL FLOW            , CONSTITUENT W (FLUID: 9718)

 VAPOR PHASE PROPERTIES                            LIQUID PHASE PROPERTIES                TOTALS
 -----------------------------------------------   ------------------------------------   --------------
 LUMP TYPE   MASS   PERCENT   PRESSURE   PERCENT   MASS   PERCENT   MOLE FRAC   PCT SAT   MASS   PERCENT

  3  JUNC   0.000    0.0000  0.000         0.0000   24.45   100.0000  1.000               24.45  95.0000
  4  JUNC   0.000    0.0000  0.000         0.0000   24.00   100.0000  1.000               24.00  95.0000
  5  JUNC   0.000    0.0000  0.000         0.0000   23.54   100.0000  1.000               23.54  95.0000
  6  JUNC   0.000    0.0000  0.000         0.0000   23.07   100.0000  1.000               23.07  95.0000
  7  JUNC   0.000    0.0000  0.000         0.0000   22.60   100.0000  1.000               22.60  95.0000
  1  PLEN   0.0000           0.000         0.0000             0.0000  0.000                       0.0000
  2  PLEN   0.0000           0.000         0.0000           100.0000  1.000                     100.0000
  8  PLEN   0.0000           0.000         0.0000           100.0000  1.000                     100.0000
	  


参考文献
[1]. Cullimore et al, SINDA/FLUINT Version 5.4 User’s Manual



熱計算が収束していない場合、どこから確認すべきでしょうか?

定常計算において、熱モデルが収束しない場合、始めに確認するべきことは、*.outファイルであると言えます。下の例では、DRLXCC, 及び、ARLXCC(の算出値)が確認でき、両者とも、許容値を超えているのがわかります。これが、収束に至っていない要因と言えます。このような場合、例えば、最大イタレーション数(NLOOPS)を増やすことで解決できる場合もあるかもしれません。

収束しない場合の要因は、上記(Node温度の収束判定)以外にも考えられます: 例えば、エネルギー収支が合わないこと(energy imbalance)、または、流動モデル(fluid model)の許容値を満たしていない等です。場合によっては、イタレーション数ではなく、(計算値の)不安定性, または、変わりやすさ(instability)の方が、収束の可否に影響していることが考えられます。この場合には、モデル内の値をイタレーション毎に出力すると、安定性の問題の調査に役立つことがあります。

iterot = (loopct > nloops-50)? 1 : 0
itrotf = (loopct > nloops-50)? 1 : 0
	  

Thermal Desktop

Model Browser のアイコンは, 何を示しているのですか?

Model Browser のアイコンは, オブジェクトのタイプを示しています. Arithmetic Node, 及び, Diffusion Node と言った異なるオブジェクトは, 異なるアイコンで示されることになります. モデルのトラブル・シューティングに従事する際, また, は, モデルを引き継いだ際など, これらのアイコンが役に立ちます.

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