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多岐管冷却板による作動流体の抜熱

Problem Description

本例では, 他のシステムからの排熱を除去する冷却板の回路作成例, 及び, 計算例を御紹介します.
冷却板にはアルミニウムプレート(厚み 1/2 inch, 縦x横 10.50x11.36 inch)を使用し, 銅製の多岐管を設置します. 作動流体は 水/エチレングリコール(50/50)を使用します. 熱を持つ作動流体の抜熱過程について非定常計算を行い, 冷却板の熱流動の経時変化を追跡します.

本解析例の趣旨は, どのくらいの時間でこの冷却装置の排熱能力の限界に達するか, を調べることです. より具体的に言うと, 作動流体, プレート, 銅管, 及び, 環境の初期温度は 80 degF とし, 他のシステムからの排熱に耐えながら, 作動流体の温度をリミット未満に保っていられる時間はどれくらいか, を調べることです.

多岐管の流入口・流出口を繋ぐ流路, 及び, それに含まれる流体要素(下図 a - d)は, 排熱する他のシステムを模擬します. 具体的には次のようになります.

  1. 形状圧力損失
    作動流体が他のシステムを通過する際の形状圧力損失を代表する
  2. アキュムレータを想定した流入流出境界
    本例題では, アキュムレータによる熱膨張補償作用の模擬を意図している. 具体的には, 熱膨張によって増加した多岐管内の体積を, 流入流出境界要素(30[psi]≒206843[Pa])に流し込み, 多岐管内の圧力を境界要素のそれと等しく保つようにする.
  3. ポンプ
    他のシステムから多岐管へ流入する作動流体の駆動力
  4. 熱源
    他のシステムからの排熱(0.09478[BTU/sec]=100[W])

加熱された作動流体が多岐管内を通過する過程において, 次のような伝熱を通じて作動流体を抜熱します.





熱回路流路網 作成手順

1. プレート部位を作成する.
他のツールで作成した体積要素(Nastran 等. ThermalDesktop でも作成可)を読み込み, アルミニウム物性を設定する(要素分割を見る).
2. FloCAD Pipe with Wall マクロ機能を使用してプレート上に多岐管を作成する.
3. 以下 a, b 及び c の部品を作成する
  • a. 圧力損失
    作動流体が他の機材を通過する際の形状圧力損失を想定し, 圧力損失を持つ部品を設置する. ここでは, 損失係数を 500 とする.
  • b. ポンプ
    ループ内の作動流体の駆動力としてポンプを設置する. ポンプの性能は, Q-H 曲線を直接入力して決める.
  • c. アキュムレータを想定した流入流出境界要素
4. プレートから環境への伝熱を定義する.
プレート上面と下面に, 自然対流による熱伝達係数を算出する相関式を設定する.
  • プレート上面:
    上向き加熱面(Tplate > Tair) または 上向き冷却面(Tplate < Tair)
  • プレート下面:(設定画面)
    下向き冷却面(Tplate < Tair) または 下向き加熱面(Tplate > Tair)
5. 多岐管に形状圧力損失を設定する.
緑で記した箇所には T 字型分岐/合流管の形状圧力損失係数を算出する相関式を, 青で記した箇所には 90 度ベンドのそれを設定する(相関式による圧力損失の算出に対応している形状).
6. 多岐管の入り口に熱源を設定する.
多岐管の先頭の流体要素に, 他の機材からの排熱を模擬する熱源を設定する.
7. 非定常計算の終了条件を設定する.
本計算例の趣旨は, 冷却装置が作動流体の温度をリミット未満に保っていられる時間を調べることであった. 本例では熱源を設定した流体要素の温度をタイムステップ毎に測定し, もし, その温度がリミットを超えていたら計算を終了する(Fortran による設定例).

計算結果例

303 秒で熱源付近の流体温度が 110 degF に達しました. つまり, 今回作成した冷却板は, 100 W の熱源に対し 303 秒までは流体温度を 110 degF 以下に保てた, という結果になります. 下右図はそのときのプレートと作動流体の温度分布です. 左図はプレートとパイプの温度です(画像をクリックすると, 温度の経時変化がアニメーションで御覧になれます).

プレートと作動流体の温度 プレートと銅管の温度

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