Simerics MP+Software

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SimericsMP+(旧称Pumplinx)を用いたベーンポンプの流体解析(CFD)Interview

はじめに

基盤技術研究所(2020年8月現在)
鈴木 一成 様(写真右)
清水 朋佳 様(写真中央)
中村 和久 様(写真左)

今回はKYB株式会社様 (http://www.kyb.co.jp/) にご協力頂きました。
KYB株式会社様は、自動車部品・鉄道車両部品・航空機部品・建設機械部品・産業機械部品・特装車・建設機械・産業機械・免震装置・試験装置及び各種油圧システム製品を製造されていらっしゃいます。
創業者の萱場資郎様が萱場発明研究所を創業されたのが1919年です。
その後、1948年に萱場工業株式会社を設立、1959年に東京証券取引所に株式上場、1985年に商号をカヤバ工業株式会社に変更、2005年より「KYB」ブランドを通称社名とされ、2015年より商号もカヤバ工業株式会社からKYB株式会社に変更されました。
2019年度現在、従業員数が連結15,439名/単独3,949名、国内関連会社数が13社、 また世界中に関連会社が有る日本有数の大企業です。
そんなKYB株式会社様の基盤技術研究所の方々にお話を伺いました。

Q1

皆様の研究内容の簡単なご紹介をお願いいたします。

基盤技術研究所では当社固有の基盤技術を探求・深耕し、未来を見据えた技術と製品の提案を行っており、我々は主に油圧ポンプの研究開発を担当しております。
車載システム用途として用いられるベーンポンプを例に挙げると、お客様の仕様に応じたポンプの基本性能を満足させるのはもちろんのこと、昨今では自動車の燃費低減や静粛性向上の観点から高効率化や低騒音化といったニーズに対してもこれまで以上に高いレベルで対応すべく、開発に取り組んでおります。

Q2

貴社が流体解析を始めたキッカケは何でしょうか?

ポンプの基本性能向上や高効率化、低騒音化を極限まで追い求めるためには、従来からの開発実績による設計/試作評価だけでは難しく、数値シミュレーションを活用した理論的検討が必要不可欠となります。
また、開発の手戻り低減や一担当者への技術集約解消のためにも数値シミュレーションは大変有効であることから、当社ではこの数値シミュレーションのひとつである流体解析にも取り組んでおります。

Q3

SimericsMP+を導入した経緯を教えて下さい。

車載システム用ベーンポンプの場合、多量の気体を含んだ作動油がポンプに供給されて吸込み不良を起こす事例や、高速駆動時にポンプ内部で発生したキャビテーションによって容積効率の低下や圧力脈動の増大、エロ―ジョンなどが起こる事例などがございました。
これらの課題を解決するためには、流体解析にて油中の気泡量や挙動を過渡的に予測できる技術が必要となりますが、従来の解析ツールにて非定常解析を行った場合、この過渡現象を予測する精度が不十分であったため、結果の検証から設計に反映するまで多大な時間を費やしていました。
そのため開発効率の向上を目的に、ベーンポンプの解析実績が豊富で、油中の気体を考慮可能なSimericsMP+の導入を検討させて頂き、従来の解析ツール以上の予測精度を確認できたため、導入に至りました。
また、ソフトの試用期間から手厚い技術支援を受けることができ、我々の目指した解析モデルの構築がスムーズに行えたことも導入の決め手のひとつにございます。

Q4

SimericsMP+をご評価いただいている点は?

従来の解析ツールでは、非定常解析を行う際にポンプ内部の動きを外部ルーチンとして組み込む必要があり、技術難度が高いため担当者を選ぶ必要がございました。
また、非定常解析が実行できたとしても、非線形性の強い流れ場の解析となるため収束解が得られ難く、解析精度に関しても担当者の技術レベルに依存しておりました。
これに対してSimericsMP+は、ベーンポンプ専用のテンプレートが準備されており、独自に外部ルーチンを組み込む必要がないため、解析できる担当者の幅が広がり、また解析精度についても担当者の技術レベルへの依存性が少なく非定常解析を行うことが可能なため、開発効率の向上に繋がっております。
また、結果を設計部署へ展開する際もポスト処理の使い勝手が良いため、設計者との情報共有も円滑になりました。

Q5

SimericsMP+を使っての今後の予定、SimericsMP+への要望などを教えて下さい。

今後はポンプ内部の細かい動きを反映させることで、ポンプ内部の現象を詳細に把握し、ポンプ性能の更なる極限化を目指したいと考えております。
動きの反映にはExpression機能の活用を考えておりますが、テンプレートにおいても今後更にモデルの拡張を図って頂けましたら幸いに存じます。
また、流線ですと過渡的な流体の動きが追えないため、例えば粒子の一点に着目して時間経過毎の動きもしくは位置を確認できる機能があるとうれしいです。