Pipeline Pilot


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概要

ガラス転移温度を求めるシミュレーション

Pipeline Pilotのメリットの一つに、 他ソフトウェアとの連携を簡潔に行うことが出来るというものがあります。 例えば、第一原理計算や古典力学計算などの幅広い計算対象を取ることが出来るシミュレーションソフトウェアの Materials Studioとの連携も手軽に行うことができることなどが挙げられます。

本事例では、
  • Pipeline Pilotへ高分子の繰り返し構造をインプットし、
  • その構造をMaterials Studioへ受け渡すことで高分子のアモルファス構造作成と古典力学計算を行い、
  • 最終的な計算結果を再度Pipeline Pilotを通して受け取り、解析からガラス転移温度を求め、レポートとして出力しています。




  • keyword

  • Materials Studio :様々な材料のモデリングやシュミレートが可能なシミュレーションツールです。
  • ガラス転移温度:ゴムのような柔らかい状態と、固体状の堅い状態の境目を指しています。

  • Reference

  • R.Brückner, Journal of Non-Crystalline Solids, 5, 123(1970).

  • 手法

    ガラス転移温度を求めるプロトコルとフローチャート

    本事例では、高分子としてポリプロピレンのガラス転移温度を求めるシミュレーションを行いました。
    インプットファイルとしてポリプロピレンの繰り返し構造であるプロピレンを使用しました。 そのインプットファイルから高分子鎖を作成し、さらに高分子セルを作成、Forciteモジュールを使用しての古典分子動力学法を実行しました。 その実行結果を解析し、ガラス転移温度の算出とレポートの作成を行っております。

    keyword

  • Forcite :古典力学計算を実行することが出来るモジュールの一つであり、高分子やバルクの様な大スケールの計算に向いています。
  • 結果

    計算結果と自動作成されたレポート

    本プロトコルの実行によって出力されたpdfレポートを左に示します。

    まずレポートの1ページには、インプットされた繰り返し構造や計算条件が、 2~3ページには熱膨張などから求められたガラス転移温度が記述されています。
    それによると、ポリプロピレンの計算結果は300K程(27度程)となっており、文献値の270K程(-10度程)と比較的近い値が取れているとわかります。


    Reference

  • ガラス転移温度文献値:https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/41/12/41_12_1111/_pdf