概要
還元型酸化グラフェン(Reduced graphene oxide / rGO)のバンドギャップ制御
グラフェンは活発な研究開発対象であり、また、バンドギャップが閉じている性質(ゼロバンドギャップ)を備えています。
一方、酸化グラフェン(Graphene Oxide / GO)は、酸素含有官能基によって絶縁体の性質を持っています。 加えて、還元されたGOは還元型酸化グラフェン(Reduced graphene oxide / rGO)と呼ばれ、そしてrGOは1.15eV程のバンドギャップを有しています。 rGOについて報告しているこちら論文では、計算にMaterials Studioを使用し、rGOのバンドギャップを比較しています。 |
keywordReference |
手法
計算モデルと手法
計算には、周期的境界条件を持つrGOシートを用いました。
このモデル表面にはエポキシ基が設置されており、その官能基の数を調整することでrGOの酸化度を区別しています。 また、グラフェンシートは単層膜であるため、グラフェン層の間隔を十分に広げることでグラフェン同士の相互作用を考慮しております。 モデルの構造最適化には、周期的境界条件の計算に特化しているCASTEPモジュールを、バンドギャップ計算にはDMol3モジュールを使用しました。 |
keyword |
結果
求められた物性値の考察
上部左下の画像の(a)~(d)は弊社にて計算したrGO構造(それぞれ28個と18個のエポキシ基が配置されております)と、
それぞれのバンドギャップを表した画像を表しております。
また、上部右上の画像(Fig. 9)は参照論文の実験結果を表しています(Experimental)。
上部左下の画像からはグラフェンシート上のエポキシ基の数によってバンドギャップが変化しているとわかり、
そして上部右上の画像の実験結果との一致が見られます。 このことから、エポキシ基数の調整によってグラフェンのバンドギャップが調整可能であることが、実験と計算の両面から証明されました。 |
Reference |