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概要

還元型酸化グラフェン(Reduced graphene oxide / rGO)のバンドギャップ制御

グラフェンは活発な研究開発対象であり、また、バンドギャップが閉じている性質(ゼロバンドギャップ)を備えています。 一方、酸化グラフェン(Graphene Oxide / GO)は、酸素含有官能基によって絶縁体の性質を持っています。
加えて、還元されたGOを還元型酸化グラフェン(Reduced graphene oxide / rGO)と呼び、rGOは1.15eV程のバンドギャップを有しています。
rGOについて報告しているこちら論文では、計算にMaterials Studioを使用し、rGOのバンドギャップを比較しています。

keyword

  • グラフェン:炭素原子が蜂の巣状(ハニカム状)に互いに強固に共有結合した単原子シートです。
  • 酸化グラフェン:グラフェン表面に酸素含有官能基(ヒドロキシ基、エポキシ基など)を持った構造をとっております。
  • 還元型酸化グラフェン:酸化グラフェンへ処理を加え、酸素含有量を減らしたものを還元型酸化グラフェン(rGO)と呼びます。

  • Reference

  • Y. Jin. et al. Journal of Materials Chemistry C 14, 4885(2020).

  • 手法

    計算モデルと手法

    計算には、周期的境界条件を持つrGOシートを用いました。 このモデル表面にはエポキシ基が設置されており、その官能基の数を調整することでrGOの酸化度を区別しています。
    また、グラフェンシートは単層膜であるため、グラフェン層の間隔を十分に広げることでグラフェン同士の相互作用を考慮しております。
    モデルの構造最適化には、周期的境界条件の計算に特化しているCASTEPモジュールを、バンドギャップ計算にはDMol3モジュールを使用しました。

    keyword

  • 周期的境界条件:sin波のような一定間隔の周期を持っている条件です。金属や結晶などの周期性を持つ構造に当てはまります。
  • CASTEP:DFTに基づいた量子力学モジュールです。半導体、金属などの固体材料を計算することが出来ます (データシート参照)
  • DMol3:分子と固体の両方を扱う量子力学モジュールです。500原子を超える大規模系への適用も可能です (データシート参照)
  • 結果

    求められた物性値の考察

    上部左下の画像の(a)~(d)は弊社にて計算したrGO構造(それぞれ28個と18個のエポキシ基が配置されております)と、 それぞれのバンドギャップを表した画像を表しております。 また、上部右上の画像(Fig. 9)は参照論文の実験結果を表しています(Experimental)。 上部左下の画像からはグラフェンシート上のエポキシ基の数によってバンドギャップが変化しているとわかり、 そして上部右上の画像の実験結果との一致が見られます。
    このことから、エポキシ基数の調整によってグラフェンのバンドギャップが調整可能であることが、実験と計算の両面から証明されました。 加えて、構造最適化にCASTEPではなくDMol3を使用したことが、バンドギャップがより実験値と近づいた理由と考えられます。

    Reference

  • Y. Jin. et al. Journal of Materials Chemistry C 14, 4885(2020).

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