解説
宇宙産業と、プラズマ解析ソフトウェア VizGlow と VizGrain
記事
論文
- “Fluid modeling of inductively coupled iodine plasma for electric propulsion conditions”, D Levko and L L Raja, Journal of Applied Physics, 2021, vol. 130, issue 17; 🔗https://doi.org/10.1063/5.0063578
- “VizGrain: a new computational tool for particle simulations of reactive plasma discharges and rarefied flow physics”, D. Levko et al., Plasma Sources Sci. Technol. 30 (2021) 055012; 🔗https://doi.org/10.1088/1361-6595/abf47b 超音速流れ
- “High-fidelity Multi-Length Scale Modeling of Spacecraft Charging in GEO environment”, Anand Karpatne et al., Proceedings of the 15th Spacecraft Charging Technology Conference 宇宙探査機の帯電
- “Hybrid Fluid-Particle Plasma Modeling of a Radio-Frequency Gridded Ion Thruster”, Joseph Wyatt et al., Proceedings of the 15th Spacecraft Charging Technology Conference イオンスラスター
帯電
3次元:宇宙探査機の帯電
VizGrainは3次元計算を行うことができます。 例として、宇宙空間で、宇宙探査機が電子とイオン(H+)によって帯電する様子のシミュレーションを示します。
電子
- 電子密度 107 (#/m3)
- 電子温度 7.5 keV
H+ イオン
- 温度 10 keV
- 数密度 2.5 × 106 (#/m3)
空間中の 青い点が電子、 赤い点がH+イオンです。
断面上では、空間の電位を青色で表示しています。時間がたつごとに、電位が下がっていきます。
中性化
イオンスラスターの中性化
宇宙船に用いられるイオンスラスターを想定したシミュレーションです。 陽イオン(ここでは Xe+)を放出する装置なのですが、 イオンだけを放出すると、宇宙船が帯電してイオンと引きあって推力が無くなってしまいます。 その対策として、電子も放出することで、ビームの電荷を小さくし、電位を低くします。
電子ビーム
- 電流 0.005 A
- 電子数密度 2.6 × 1015 (#/m3)
- 速度 2.4×105 m/s, 温度は 2 eV
Xe+ イオンビーム
- 電流 0.005 A
- 数密度 3.88 × 1014 (#/m3)
- 速度 1.6×104 m/s, 温度は 0 eV
背景の色は、空間の電位です。 左端が宇宙船で、そこを電位0とします。
青い点が電子、 赤い点がXe+イオンです。